苔テラリウムに水草を使うことについて

アクアリウム

お疲れ様です モスパラです
今日は苔テラリウムに使える植物の紹介をさせていただけたらと思います
今回はアクアリウムで使える水草で、近年は苔テラリウムでも使う方が多くなりました

アヌビアス・ナナ

こちら、アヌビアス・ナナです
アクアリウムではよく知られた水草です

アヌビアス・ナナの情報をご紹介しておきます
下記はアクアリウムでアヌビアス・ナナを育てるときのお話になります

アヌビアス・ナナは、アフリカ原産のサトイモ科の植物で、その丈夫さと美しい緑の葉が特徴です
初心者の方でも育てやすく、レイアウトの幅を広げてくれる万能な水草と言えるでしょう

アヌビアス・ナナの特徴

  • 丈夫さ: 水質の変化や光量の変化に強く、初心者でも育てやすいです
  • 成長速度: 非常にゆっくりと成長するため、頻繁なトリミングは必要ありません
  • 活着性: 流木や石に活着させることができ、レイアウトの自由度が高いです
  • 種類: 葉の色や大きさなどが異なるいくつかの品種があります

アヌビアスナナの育て方

  • 光: 照明は必要ですが、他の水草に比べて光量は少なくても育ちます
  • 二酸化炭素: 二酸化炭素添加はなくても育ちます
  • 肥料: 根から栄養を吸収するため、底床に肥料を埋めておくことがおすすめです
  • 水温: 22~28℃が適温です
  • 水質: 特にこだわりはありませんが、弱酸性~中性の水質が好ましいです

アヌビアスナナの増やし方

  • 株分け: 根茎をカットして増やすことができます
  • 子株: 親株から生えてくる子株を分けて増やすことができます

アヌビアス・ナナを水草としてアクアリウムに使う方は多いです
とても丈夫で、光の量が少なく、栄養の少ない、二酸化炭素の添加がない水槽でも、ゆっくりですが育ってくれます
葉も硬いため、金魚に入れても食べられにくいなどのメリットもあります
(絶対食べないわけではありません)



ここからは、「水上」で「苔テラリウム」や「アクアテラリウム」で使う際の注意点を記載していきます

「水上葉」と「水中葉」

最近は、丈夫で枯れにくいという理由から、アヌビアス・ナナを苔テラリウムやアクアテラリウム、パルダリウムに使うシーンが増えたように思います

アヌビアス・ナナは水草ですが、水上での育成も可能です
水草は、水上でも水中でも育ちます
水草の生育している南米や東南アジア、アフリカなどの赤道直下の自然には、「雨季」「乾季」があります
雨季で水に浸かってしまう時は、水中に適した「水中葉」になり、乾季で水が少なくなり、湿度が高くなった湿地では「水上葉」として生きていけます
水草は「水中葉」「水上葉」の状態があります

で、通常流通している状態は「水上葉」の状態が多いです
これには、水草の輸入や流通事情があります
水中葉の状態で輸入すると、水ごと輸入しなくてはならなくなり、重くなって輸送コストが多くかかります
水上葉であれば水を入れることなく輸入、流通させることができ、輸送コストの削減に繋がります

で、日本に輸入されてから水槽に入れられます
販売水槽の中で、「環境に適応しやすい水草」は水中葉を展開します
「環境に適応しにくい水草」は、じきに枯れてしまうでしょう
これが、育成が簡単な水草と難しい水草の違いです
水上葉から水中葉への移行がしやすいか、しにくいかで難しさが決まります
水中葉への移行がしにくい水草は、強い光や二酸化炭素が必要となります
こういった理由で水草の難しさが決まります

輸入の水草は分かったけど、国産の水草はどうなの?ということですが、
国産の水草も、ビニールハウスで水蒸気を当てられて管理されています
つまり、無農薬で水上葉として育てられていますので、国産の水草であろうとも、水槽に導入する際は、水中に移行しやすいかどうかを確認する必要があります

で、問題のアヌビアス・ナナですが、丈夫で成長も遅いのでゆっくり水中葉を出します
水上で育てていても、湿度が高ければ問題なく維持できるでしょう

ただ、注意点として、お店で水中に沈んでいる水草を水上で育てるのはかなり難しいです
カラカラになってしまいますので、水上葉として水上で管理されているアヌビアス・ナナを選びましょう

アヌビアスナナ カラカラ

こんな風にチリチリのカラカラになってしまいます・・・
ご注意ください

苔テラリウムで使う時の注意点

次に、苔テラリウムで使う際の注意点を書いていきます
アヌビアス・ナナは自然界では川のすぐそばなどに生育しており、土中にも水が含まれている、湿度の高い場所に生育しています
そして、流れの強い川の水は、根の部分にも流れ込み、水中の多くの酸素や栄養分を根の部分に送り込んでいます
そういった環境で育っています
これはサトイモ科の植物に多く見られ、ブセファランドラなども同じような感じです

つまり、ワイルド株(野生種)に関しては、「根の部分に常にきれいな水を送り込んであげる」環境が必要となります

流通しているアヌビアス・ナナはほとんどが養殖株になりますので、苔テラリウムに使っても問題ありませんが、ワイルド株を苔テラリウムに使用すると、ほぼほぼうまくいきません
特に、ブセファランドラは養殖株なのかワイルド株なのか、記載されていないことが多いので、ブセファランドラを苔テラリウムに使う際は、養殖株を使うことをお勧めします

養殖株だったとしても、元株が遺伝的にキレイな水と酸素を根に送ってあげる必要のある種類もあります
根に酸素が送られないと、いわゆる窒息に近い感じになるのかと思います
クダガンなどのメジャー種を使うと良いと思います

同じ考え方で、クリプトコリネやミクロソリウムも同じです
クリプトコリネはサトイモ科、ミクロソリウムはシダ植物ですが、ワイルド株は根の部分が多く酸素やきれいな水を要求する環境にある可能性があります
クリプトコリネならウェンティなど、ミクロソリウムならプテロプスなどメジャー種で、水上栽培されている種を使いましょう

ブセファランドラを苔テラリウムに入れて、すぐに溶けてしまった・・・などの失敗談もよく聞きます
ワイルド株だったのか、養殖株だったとしても、遺伝的に難しい環境を求める種だった可能性もあります
苔テラリウムに水草を使う際は、水草の生育している環境を知ることが、うまく育てるポイントになるかと思います

モスパラからの注意喚起でした
何か間違いやご意見あればお知らせください

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